ヘアカラーに関するQA

ヘアカラーによる頭皮の負担(皮膚の炎症・アレルギー等)の解消方法

ヘアカラーをすることでおきる頭皮の負担や影響を教えてください。
敏感肌で頭皮が荒れやすいんですが、カラーはしない方がいいでしょうか?
解消方法や負担を減らす方法があったらアドバイスお願いします。

ヘアカラーで起きる頭皮トラブルや皮膚トラブルは年々増えているそうです。
カラーリングで髪を染める人口が急増し、ホームカラー等の安価な方法で素人が薬剤を扱い、頭皮や顔回りの皮膚トラブルが起きています。

数年前よりもヘアカラー剤は低刺激なものになってきてはいますが、体に良い事は何一つありません。
体に悪い物ですし、有害です。

ですが、正しい知識と方法を用いれば、負担を軽減しカラーリングを楽しむ事も可能です。
大きな事故(頭皮、皮膚、肌トラブル)を防ぐこともできます。

この記事ではヘアカラーが起こす頭皮(肌)への影響と負担を軽減する方法について記載します。

ヘアカラーが起こす健康被害(体への悪影響)と原因

健康被害と記載しましたが、医療用語で言うとカラーで起きる被害(症状)は下記のふたつです。

  • アレルギー性接触皮膚炎
  • 刺激性接触皮膚炎

原因と症状が違うので別けて解説します。

アレルギー性接触皮膚炎の原因と症状

ヘアカラー/ファッションカラー/おしゃれ染め/ヘアダイ/白髪染め/おしゃれ白髪染め

上記の名称(通称)がついているものは、副作用(アレルギー性接触皮膚炎)を起こす可能性があります。

これらのカラーで共通しているのが、酸化染料を使用していて成分にジアミンが含まれている事です。

  • パラフェニレンジアミン
  • 硫酸トルエン2.5-ジアミン
  • パラアミノフェノール

※【酸化染料(カラー1剤)に含まれアレルギー反応を起こす可能性がある3つのジアミン成分】

このジアミンにアレルギー反応を起こして、皮膚炎の症状がおきます。
症状は、かゆみ・赤み・腫れ・ブツブツ・滲出液(しんしゅつえき)・顔全体の腫れ・等々。

カラー施術後48時間で症状が最もひどくなり、それでもカラーを継続すると、血圧低下、全身蕁麻疹(じんましん)、呼吸困難を引き起こします。

刺激性接触皮膚炎の原因と症状

カラー剤に含まれている刺激物質が頭皮(皮膚)へ付着すると起きる症状です。

アレルギー反応がなくても、もともと皮膚が弱く敏感肌の人や、短期間で頻繁にカラーリングを繰り返す人が起きる可能性があります。
アレルギー性接触皮膚炎とは違い誰もが起こりうる可能性があります。

カラーの施術中に、頭皮がヒリヒリと痛みや痒みを感じるようでしたら刺激性接触皮膚炎を起こしやすい敏感肌だと考えられます。

美容師の施術で皮膚炎を回避できる事も

美容室で美容師が施術すれば、全てではありません皮膚炎を回避できる事もあります。
問題が解消できればストレスなくヘアカラーを楽しむことができるので、その為の具体策について記載します。

まずはパッチテストを行う

パッチテストを行うと、アレルギー性接触皮膚炎なのか刺激性接触皮膚炎なのか原因がより明確になります。

頭皮にかゆみや痛みを感じたらそのままにせずに、何が原因なのか突き止める事で具体的な解決方法が分かります。

パッチテストはカラー剤が置いてあればどこの美容室でも行ってくれます。
初めてカラーリングをする時や、カラーをするたび頭皮に炎症が出る場合は美容師に伝え、パッチテストで原因確認をおこなってください。

アレルギー反応がでがないヘアカラーをする

パッチテストで、アレルギー性接触皮膚炎反応が確認されると、上記であげたジアミンが使われているカラー剤は使用することができません。
ヘアマニキュアなどのジアミンが一切入っていないカラー剤を使用することが推奨されます。

ヘアマニキュアでしたら無害なので皮膚トラブルや肌荒れの心配も一切ありません。
成分にジアミンが入っていないので、アレルギー反応もありません。

アレルギー反応は確認されなく、刺激性接触皮膚炎のみの疑いでしたら、頭皮にカラー剤を一切付けない様にする事でカラーリングをすることも可能です。

頭皮に一切付けずにカラーリングをする

頭皮に一切付けずにカラーを行うテクニック(ゼロテクと呼ばれます)を用いる事で負担をかけずにヘアカラーができます。

カラーの度に下記の症状で悩んでいたらとても効果的です。

【敏感肌/痛い/ヒリヒリ/痒い/しみる/かぶれ/湿疹/肌荒れ/ただれ/等々】

低刺激の薬剤を使用していても、カラー施術の間隔が短く頻度があがれば繰り返す事で頭皮への負担は積み重なります。

頭皮に不安を感じたり症状の兆しが見えたら担当の美容師に相談することで、頭皮につけずにカラーができるので相談してみましょう。

月に何回くらいなら大丈夫か?

カラーの間隔についてお話ししていると、「月に何回くらいなら大丈夫か?」というご質問を頂くことがあります。

これに対しての回答は明確なものはなく、「頭皮に症状が現れなければ大丈夫」というあやふやな回答しかできません。

しかし、美容室でカラーリングをしながらお客様の頭皮の状態を観察させて頂くと、最短でも2週間に1回(月2回)くらいのペースに留めた方がいいでしょう。

以前、初めてご来店頂いたお客様からカラーで頭皮が荒れるというご相談を頂いた事があります。
その方は、月に3回施術をされているお客様でした。

カラーの回数を月3回を2回に減らしたところ症状の緩和が見られました。
もちろん事例の一つにすぎませんが、間隔を空ける事で頭皮の負担は確実に減らせます。

「月に何回くらいなら」と決めずに、状態を見ながら担当美容師と進めていけると安心ですね。

季節の変わり目と体調不良で頭皮が荒れている時

季節によって頭皮の状態が変わります。
温度、湿度によって頭皮の状態が変わります。

例えば、夏の暑い季節は、髪の中が熱でこもります。
シャンプーの回数も増えたりする事で、自然と頭皮をかく事がふえます。

回数が積み重なったり無意識で頭皮のかき壊しが起きたりします。

ここにカラー剤が付着すると、いつもは大丈夫でも染みたりするので、注意が必要です。

冬の乾燥する季節も同じ事がいえます。
頭皮を無意識にかく事が増えるので、角質を剥がし傷がつきやすくなります。

夏や冬など季節の変わり目は頭皮が肌荒れを起こすのでカラーが染みやすくなるお客様が多いようです。

また、体調不良で頭皮のコンディションが整っていないときも同じように染みやすくなるので注意が必要です。

抜け毛、薄毛の影響

カラーの間隔が短く頻繁に行っているお客様が不安になられる質問が抜け毛や薄毛への影響です。

抜け毛(薄毛)の原因は、殆どが加齢によるホルモンの影響です。
が、カラーリングを繰り返すことで頭皮を傷めつけているので、抜け毛(薄毛)への影響もゼロとは言い切れません。

こちらの負担を減らす方法として、カラーの間隔を長くしたり頭皮に薬剤をつけないように施術する事が推奨です。

美容室でプロに染めてもらう事!プロに洗髪してもらう事で頭皮トラブルは防げる!

最後になりますが、美容室でプロにカラーリングを任せる事で頭皮トラブルは防げます。

勿論全てではありません。
アレルギー性のトラブルなどは防ぎようがありません。

しかし、
技術を学んだ美容師が施術をすれば、カラー剤が顔に付いたり皮膚が染まるような事は防げます。

頭皮につけずにカラーをしたり、状態を見ながら間隔の調整も可能です。

また、洗髪も丁寧にできるので自分で洗う時よりもカラー剤が頭皮に残りません。

カラーによる頭皮トラブルが多い人ほど、相性の良い美容師を見つけて任せる事をお勧めします。